公立高校入試分析 第3回「公立入試 今年の出題傾向(理科・社会編)」
◎全国の公立入試総括 「特徴」・「難易度」・「注目点」分析
■理科
●今年の入試の特徴
用語記述の設問は減ったが、昨年同様、頻出単元からの基本問題の出題が目立った。理由を記述する問題は増加。
●難易度(昨年との比較)
平均点の変動が大きい教科のため、出題内容や記述・計算量によって難易度に大きな差が出ている。
●その他、注目点
昨年増えた「すべてを選ぶ」問題は約半数の県で出題。記述は正確な知識を問うものと考えられることを書くものがあり、難易度の二極化が進む
■社会
●今年の入試の特徴
設問は資料の読み取りをするものと正確な知識を確認するものに二分され、地理と歴史の難易度差が大きくなった。
●難易度(昨年との比較)
用語の増加や記述の難化はあるが、全体的には特に大きな変化なし。
●その他、注目点
時事問題をベースにした問題が定番に。「働き方改革」「東京オリンピック」「EU」「憲法改正」などは2019年度入試でも注意が必要。
☆これから受験する皆さんへのアドバイス☆
■理科:中学校で学習した内容をすべて正しく覚えることが重要で、正確な知識が求められます。(しっかり覚えることが重要)また、中1・中2の学習内容も多く出題されているため、その内容を忘れていないか、常にチェックすることが必要です。また、答えを1つ選ぶのではなく、「正しいものをすべて選んで」答える問題が多くなっている傾向が全国的に広がりつつあるので、覚えた知識を使った問題演習を繰り返すことで効果が出るでしょう。
■社会:知識がないと解けない問題が多数出題されています。また、記述式も多く、単語・用語をもとに文章で適切に記述することで得点につながる問題も多く出題されています。対応策としては、主要3教科だけでなく、社会も勉強できる環境を中学生の早い段階から作ることです。中3の夏までに「中1・中2の地理・歴史」の復習+問題演習が常にできる環境を作り実践する。また、中3の2学期以降は公民も学習することになるため、公民の理解(憲法、国会・内閣・裁判所、経済分野)と中2までの内容の演習を両立するための勉強をすることが社会で得点するためにやるべきことになります。
理科と社会で共通して言えることは、しっかりとした「正確な知識をもつこと」とそれを自分で説明できる「説明力」を身に付けるための問題演習+暗記作業が何よりも必要になっています。これが、ここ数年の出題傾向と言えます。
(作成情報協力:株式会社エデュケーショナルネットワーク)