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【シリーズ】公立高校入試分析 第3回「公立入試 今年の出題傾向(理科・社会編)」

18年07月01日

公立高校入試分析 第3回「公立入試 今年の出題傾向(理科・社会編)」

第3回 _公立入試_今年の出題傾向(理科・社会編)のサムネイル

◎全国の公立入試総括  「特徴」・「難易度」・「注目点」分析

■理科

●今年の入試の特徴
用語記述の設問は減ったが、昨年同様、頻出単元からの基本問題の出題が目立った。理由を記述する問題は増加。

●難易度(昨年との比較)
平均点の変動が大きい教科のため、出題内容や記述・計算量によって難易度に大きな差が出ている。

●その他、注目点
昨年増えた「すべてを選ぶ」問題は約半数の県で出題。記述は正確な知識を問うものと考えられることを書くものがあり、難易度の二極化が進む

 

■社会

●今年の入試の特徴
設問は資料の読み取りをするものと正確な知識を確認するものに二分され、地理と歴史の難易度差が大きくなった。

●難易度(昨年との比較)
用語の増加や記述の難化はあるが、全体的には特に大きな変化なし。

●その他、注目点
時事問題をベースにした問題が定番に。「働き方改革」「東京オリンピック」「EU」「憲法改正」などは2019年度入試でも注意が必要。

 

☆これから受験する皆さんへのアドバイス☆

■理科:中学校で学習した内容をすべて正しく覚えることが重要で、正確な知識が求められます。(しっかり覚えることが重要)また、中1・中2の学習内容も多く出題されているため、その内容を忘れていないか、常にチェックすることが必要です。また、答えを1つ選ぶのではなく、「正しいものをすべて選んで」答える問題が多くなっている傾向が全国的に広がりつつあるので、覚えた知識を使った問題演習を繰り返すことで効果が出るでしょう。

■社会:知識がないと解けない問題が多数出題されています。また、記述式も多く、単語・用語をもとに文章で適切に記述することで得点につながる問題も多く出題されています。対応策としては、主要3教科だけでなく、社会も勉強できる環境を中学生の早い段階から作ることです。中3の夏までに「中1・中2の地理・歴史」の復習+問題演習が常にできる環境を作り実践する。また、中3の2学期以降は公民も学習することになるため、公民の理解(憲法、国会・内閣・裁判所、経済分野)と中2までの内容の演習を両立するための勉強をすることが社会で得点するためにやるべきことになります。

 

理科と社会で共通して言えることは、しっかりとした「正確な知識をもつこと」とそれを自分で説明できる「説明力」を身に付けるための問題演習+暗記作業が何よりも必要になっています。これが、ここ数年の出題傾向と言えます。

(作成情報協力:株式会社エデュケーショナルネットワーク)

【シリーズ】公立高校入試分析 第2回「公立入試 今年の出題傾向(英語・数学・国語編)」

18年06月27日

公立高校入試分析 第2回「公立入試 今年の出題傾向(英語・数学・国語編)」

第2回 _公立入試_今年の出題傾向(英語・数学・国語編)のサムネイル

◎全国の公立入試総括  「特徴」・「難易度」・「注目点」分析

■英語

●今年の入試の特徴
大学入試改革の影響もあり、リスニングと英作文の難化は顕著。単語力を問う問題も増加傾向に。

●難易度(昨年との比較)
全国的に特に大きな変化はなし。

■その他、注目点
時事問題を絡めた内容(AI・高齢者の免許返納・自転車マナー・外国人観光客の増加など)をテーマにした素材文が目立つように。

 

■数学

●今年の入試の特徴
設定が凝った良問は少数で、思考系問題は大半が条件を複雑にして出題。特に1次関数・確率・資料の整理はその傾向が強い。

●難易度(昨年との比較)
入試改革を先行する県は全体的に易化傾向。そのほかの県は大学入試改革の影響もあり、難化している。

●その他、注目点
問題文が長文化し、日常生活に絡めた問題が増えた。難易度の二極化は一層進み、基本問題の出題割合は年々増加。問題構成は固定化されている県が多い。

 

■国語

●今年の入試の特徴
複数の資料の内容をまとめたり、発表の仕方を考えたりといった、プレゼン型の作文が目立った。

●難易度(昨年との比較)
特に大きな変化はなし。

●その他、注目点
「人工知能」や「哲学」といった素材文が増加傾向。漢字の読み書きは難度が上がり、なじみのない漢字が目立つように。

 

☆これから受験する皆さんへのアドバイス☆

■英語:リスニングや英作文は難化傾向にあります。問題や選択肢を英語での表記することは今後スタンダードになる可能性が高いです。英文読解は時事問題を絡めたテーマで出題されることが多くなることが予想され、そのための知識は常日頃から自分で得ることが求められます。4技能(読む・書く・聞く・話す)の習得が求められているので、英語検定など検定試験を早いうちに受検し、取得しておくことが重要です。理想は中3で準2級を取得。高3で準1級を取得することです。(数年後、これが高校入試・大学入試の基準になる可能性大)

■数学:1次関数・確率・資料の整理などの思考系の問題は、問題文を長くしてあえてミスを誘うような問題形式が多く見られます。「何を」聞かれていて、「どのように」答えるのかを意識した問題演習が求められます。また、計算・1行問題などの基本問題の割合が年々増加。問題構成はほぼ固定化されています。数学が苦手な生徒は計算・1行問題を確実に正解することが最優先課題でしょう。

■国語:文章読解では、小説や説明文以外に、書類やレポートのような、将来日常的に見る文章が問題文になることも大いに考えられます。新聞や学校でのレポートなどにも注意を払って、文章を読み考えるようにしましょう。また、漢字の読み書きの問題で難易度が増しているという現状があるので、漢字検定などを活用し、幅広い漢字問題にもチャレンジするようにしましょう。公立入試の漢字は小学生で学習する漢字の出題がほとんどです。

(作成情報協力:株式会社エデュケーショナルネットワーク)

 

【シリーズ】公立高校入試分析 第1回「出題の傾向と大学入試改革の影響」

18年06月26日

公立高校入試分析 第1回「出題の傾向と大学入試改革の影響」

第1回 _公立高校入試分析_出題の傾向と大学入試改革の影響のサムネイル

☆2018年入試問題は「大学入学共通テスト」を見据えて、確実に変化!

昨年、大学入試改革の目玉である「大学入学共通テスト」(以降、共通テスト)の「プレテスト」が実施されました。記述問題やマーク式の問題の新しい出題パターンが公開され、課題なども示されました。高校入試の変化は、まさしく「共通テスト」で示された出題パターンの変化と軌を一としており、「思考力・表現力」を評価するための出題形式の変化ということができます。

今後、出題されるであろう、出題形式まとめ

〇出題者が問題文で示した流れに沿って、解答するだけでなく、問題解決のプロセスを自ら選択しながら解答する部分が含まれるようにする。

〇複数のテキストや資料を掲示し、必要な情報を組み合わせ、思考・判断させる。

〇文の異なる複数の文章の深い内容を比較検討させる。

〇学んだ内容を日常生活と結びつけて考えさせる。

〇正解が1つに限られない問題にする。

〇選択式でありながら複数の段階にわたる判断を要する問題とする。

〇世界を選択肢の中から選ばせるのではなく、必要な数値や記号等をマークさせる。

 

実際に、2018年度高校入試において、国語・英語では人工知能(AI)を題材とした問題、数学では問題文の条件設定が複雑な問題、理科では複数解選択の問題、社会では複数の資料の読み取りや時事的テーマの問題などが目立ちました。

☆各県入試の特徴は「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」のバランスで決まる!

2020年度からスタートする新学習指導要領では、各教科の学習内容において、養成すべき資質・能力が「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」に分けられ、具体的に明示されています。入試問題もこの二軸によって構成され、そのバランスが入試の特徴となっていると言えるでしょう。

今後の高校入試を考える際にも、「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」の出題バランスを見極めることが重要。現時点では、この二軸の比重は各都道府県によって異なっていますが、「思考力・判断力・表現力」型の出題が一定レベルに収束するはずです。しかしながら、「知識・技能」は多くの生徒にとって最重要事項であることは今後も変わらないでしょう。「思考力・判断力・表現力」は「知識・技能」の土台があってこそのものだからです。

ここ数年の高校入試問題を見る限り、二極化した問題は、難易度や正答率が著しく異なります。易しく得点し易い「知識・技能」型の問題と、これまでの対策では困難な「思考力・判断力・表現力」型の問題のいずれにも対応していくことが、喫緊の課題になります。

☆これから受験する皆さんへのアドバイス☆

①「知識・技能」は多くの生徒にとって最重要事項で、問題を解く「土台」であるから、最優先にする。

②易しく得点し易い「知識・技能」型の問題と、これまでの対策では困難な「思考力・判断力・表現力」型の問題のいずれにも対応していく。